2023年に読んだ本のまとめ(後編)

 前回からの続き。やはり都度都度まとめておかないと、読んだ時の記憶が薄れているので、まとめるのにとても時間がかかる。ただでさえ読書感想文が苦手な人間なのに。来年からはまとめ癖、つけたいものだ。

 


◎7月(1冊)

●帰れない山

 5月に同名の映画を見て非常に好きだったので、原作を読んだ。山と2人の人間の関係を静かに描いた作品。先に映画を見ていたので、山々の景色が想像しやすかった。映画では(言葉としては)表れない主人公の気持ちも、本だとより分かりやすく描かれていて、映画と本どちらも触れたのは正解だったと思う。イタリア文学に興味を持つきっかけにもなった。

 


◎8月(3冊)

●片付け・部屋づくりから一人時間の過ごし方まで 繊細ミニマリストのゆるっと気持ちいい暮らし

 これも、家の状態をどうにかしたくて、ヒントを得るために図書館で借りた。正直、あまり内容を覚えていない。参考になりそうなことが書いてあっても、読みっぱなしではそのうち忘れてしまうのだな…と反省している。また読み返したい。


● SAVE THE CATの法則

 今後の参考になればと思い借りた1冊。10年以上前の本ということもあり、その考え方は如何なものかと思う部分もありつつ、なるほどなと勉強になった部分もあった。なんにせよ、あとは書き始めるだけである。


●ノーマル・ピープル

 とても好きな俳優(※世間では『推し』という言い方をする)こと、ポール・メスカルさん主演ドラマの原作本。2人の男女がくっついたり離れたりをくり返すどうしようもない話なのだが、なんとなく2人を嫌いにはなれなかった。あまり恋愛小説は読まないのだが、これは好きだった。ドラマは途中で見るのが止まっているので、来年こそは完走したい。

 


◎9月(3冊)

シャーロック・ホームズとシャドウェルの影

 シャーロック・ホームズをちゃんと読んでもいなければ、クトゥルー(クトゥルフ)神話も知らないのに手を出してしまった1冊。ちなみにこの作品をきっかけにパスティーシュという言葉を初めて知った。オカルトというか、魔術に向き合うホームズの姿はなかなかおもしろく、あっという間に読んでしまった。ホームズやクトゥルーの知識があればより楽しめたのかもしれない。


●イギリスの心地いい暮らし 小さな愉しみ

 イギリスの生活が描かれた本。食べてみたいもの、行ってみたいところなど、気になるものがたくさんあって、旅行したい気持ちがより強くなった1冊だった。


●だからダスティンは死んだ

 表紙に惹かれて借りたミステリー。最初から犯人はわかっている状態なので、どういう結末を迎えるのだろうとそわそわしながら読んだ。予想通りの部分もありつつ、意外なオチもあり、最後まで楽しめた。

 


◎10月(2冊)

●自由研究には向かない殺人

 今年読んだ本の中で、この作品が一番おもしろかった。自由研究を隠れ蓑に、ある失踪事件の真相を暴こうとする女子高生の物語。YA小説としての楽しさもありつつ、ミステリーのおもしろさを改めて教えてくれた作品。三部作ということで、続編も早く読みたい。


●われら闇より天を見る

 原題のWe Begin at the Endの方がしっくりくるので、なんでこの邦題になったのかよく分からないのだが、とにかくこの作品もすばらしかった。主人公のダッチェスが経験する全てのことが辛く、なぜこの子がこんな人生を歩むことに…と思わずにはいられないのだが、最後まで読むと別の感情で涙が出た。文庫本になったらまた読みたい。

 


◎11月(3冊)

●教養としての「ラテン語の授業」

 韓国で出版された本の邦訳版。がっつりラテン語の文法が書かれているのかと思ったらそうではなくて、ラテン語のフレーズから歴史や宗教の話まで幅広く展開されていて、より詳しく勉強してみたいなという気持ちにさせられた。今度手紙を書くときは、ラテン語のフレーズを取り入れてみようと生意気なことを思ったりもした。


シャーロック・ホームズミスカトニックの怪

 ホームズ×クトゥルー神話の第2弾。2部構成になっているのだが、第2部にあたるコンロイの手記がなかなかおもしろかった。前作を読んだときも感じたが、やはりホームズのいわゆる『正典』と、クトゥルー神話の知識があった方が同じところ・違うところが分かってより楽しめるのだろう。こうして読みたいものリストがどんどん増えていく。


●北欧こじらせ日記 移住決定編

  6月に読んだ北欧こじらせ日記の続編。今回のエッセイも読んでいてとても元気をもらえた。フィンランドに住むために寿司職人を目指す、というキャリア選択は確かにびっくりするが、そこに至るまでの過程は決してぶっ飛んだものではないと思った。自分の人生についても考えるきっかけになるエッセイだった。

 


◎12月(2冊)

●あなたの本

 久しぶりに誉田哲也さんの小説を読んだ。短編集で、どれも何となく後味の悪い作品たちなのだが、なぜかそれが癖になる。1本目の『帰省』、そしてタイトルにもなってる『あなたの本』は特に好きな結末だった。


●心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始まるマインドフルネス

 タイトルを最後まで読んでいなくて、本を開いてからマインドフルネスの本だと気がついた。あまり生活に取り入れようとは思わなかったが、一呼吸つく習慣っていうのはあってもいいのかなと感じた。

 


 以上が2023年に読み終えた本である。なんとか年内に滑り込めた。読みたい本リストは全然減っていないので、来年も引き続き読書して過ごせたらいいなと思う。ついでに、読んだ本を毎月ちゃんとまとめることで、年末に唸りながら読書感想文を書くことがないようにしたいものだ。